これで最後

nostalji2017-03-03

友人に送ってもらった東映時代劇『人形佐七捕物帖・闇に笑う鉄仮面』(1961年/監督:倉田準二)を観る。シリーズ最終作で、監督・キャストは前作と同じ。
南蛮商品を扱う内海屋(堀正夫)の倉庫で番頭が殺されます。恋人のお照(三原有美子)と買物に来ていた佐七(若山富三郎)は、逃げるように立ち去った浪人・成瀬直之進(坂東吉弥)を目撃。佐七に命じられて子分の辰五郎(大泉滉)が跡をつけます。佐七が直之進から事情を訊くと、直之進は父を殺した海賊を捜しているとのこと。某藩の船奉行だった直之進の父は、藩が抜け荷していた南蛮品を見張っていて海賊に殺されたんですな。その時奪われた証拠の南蛮商品を探していたのね。事件は海賊たちの仲間割れの犯行と解り……
“闇に笑う鉄仮面”なんて、どこにも出てきません。東映のシリーズは新東宝のシリーズと比べるとケレン味が薄かったですね。捕物帖には難しいトリックはなく、猟奇的な殺人事件とキャラクターの面白さが魅力となります。特にシリーズ物はね。白塗りの若山富三郎(立回りはグッドだが)は見られたものではありませんが、このシリーズでは辰五郎役の大泉滉の怪演が光ります。シュールすぎて、ついていけないところもありますけどね。他の出演者には迷惑な存在だったでしょうねェ。