大人向け忍術映画

nostalji2017-03-06

友人に送ってもらった東映時代劇『くノ一忍法』(1964年/監督:中島貞夫)を観る。18禁映画だったので公開時に観たくても観ることができなかった映画です。原作の山田風太郎の『くノ一忍法帖』を読んでいたので、観たくてねェ。
真田幸村(北村英三)が豊臣の血を絶やさぬために信濃の女忍者・お眉(芳村真理)・お由比(中原早苗)・お瑶(三島ゆり子)・お喬(金子勝美)・お奈美(葵三津子)に秀頼の子を身ごもらせます。千姫野川由美子)は5人を従者に紛れ込ませて脱出。これを知った徳川家康曽我廼家明蝶)は服部半蔵(品川隆二)に命じて鍔隠れの里から鼓隼人(大木実)・七斗捨兵衛(待田京介)・般若寺風伯(吉田義夫)・雨巻一天斎(山城新伍)・薄墨友康(小沢昭一)を呼び寄せます。でもって、忍術(忍法)合戦が繰り広げられるのね。くノ一たちの秘術は、以下の通り。
吸壺の術は、秀頼の子を孕むためにくノ一たちが使った術、忍法幻菩薩(普賢菩薩の像を置き、幻の女の裸身を見せて男たちを発狂させる)は、お眉が使う忍法で、千姫に婚姻をせまる坂崎出羽守(露口茂)の家来3人が狂死。忍法月の輪(血をつけられた相手はいくら洗っても決して取れず、血を流し続ける)は、薄墨友康の忍法くノ一化粧(催淫薬を塗った針で女を発情させ、女陰から精を吸い取ることでその女そっくりに変身する)に敗れたお奈美が死に際に使った忍法。忍法天女貝(女陰で男根をくわえ込み、たとえ自分が死んでもすさまじい力で締めあげる)は、雨巻一天斎の忍法花開き(女に精液を振りかけて発情させ、性交時にショック死させる)に敗れたお喬が使った忍法。忍法やどかり(女陰を密着させ、胎児を子宮から子宮へと移動させる)は、お眉が危機を脱するためにお福(木暮実千代)に使うのですが、そのことを般若寺風伯に見破られ、お瑶が忍法筒涸らし(性交中に相手の身体中の水分を抜き取る)で風伯を倒します。しかし、七斗捨兵衛の忍法鞘おとこ(特殊な精液で皮膚をコーティングして身を守る)の術で忍法筒涸らしは破られ、お瑶は死にます。忍法夢幻泡影(女陰から霧のような泡を出し、敵の精神を幼児退行させる)は、お由比が黒鍬衆相手に使った忍法。
倉本聰中島貞夫が脚色し、中島貞夫の初監督作品です。胎児を守ろうする女の戦いが基本テーマになっており、原作の持つエログロは希薄になっています。意外と真面目な内容なのね。リアルな映像を排除して舞台セットの中でのドラマ展開は、成功しているとは云えませんが、歌舞伎のような様式美を意図したんでしょうね。単に女の裸を見せるだけの作品にしなかったのは見事で〜す。