興味がひかれて

nostalji2017-05-20

帰省中や移動・待ち時間に読んでいた高峰秀子:著の『私の渡世日記(上下巻)』(文春文庫:1998年3月10日第1刷発行)を読了。
養女にもらわれた経緯から、偶然にも5歳で映画の子役になり、それ以後の芸能界、特に映画の世界で生きてきた半生の自伝です。上巻が戦前、下巻が戦後となっています。BSやCATVで旧い邦画を観る機会が増え、私にとって貴重な資料になります。とりわけ彼女が出演した時代劇に関しては興味深かったですね。
特に、彼女が85歳の老け役を演じたという『笛吹川』(1960年・松竹/監督:木下恵介)には、私の未見の時代劇とあって興味津々。「全編白黒で撮影した後、作品の意図を強調するカットのみ色彩がほどこされた。カラー映画でも白黒映画でもなく、水彩映画とでも、いや、南画風映画とでもいおうか、文人画のように画面のある部分にだけ色が入る……、こうした手法はあまりに厖大な費用を食い、松竹はもちろん仰天したけれど、以後そうした手法は世界のどの映画にも現れていない。『笛吹川』は木下恵介作品の中で、最も重要な作品だと私は思っているし、日本映画の中でも傑出した映画のひとつだと信じている」と彼女は評価しています。
観たくなって調べてみると、DVDが発売されており、さっそくアマゾンで検索。マーケットプレイスに出品されているのを注文しましたよ。昔は中古ビデオ屋を回って探したものですが、便利になったものだ。