SFだが

nostalji2017-06-19

録画していた『オートマタ』(2014年/監督:ガベ・イバニェス)を観る。オートマタと呼ばれる人型ロボットが定着した未来の地球を舞台にAIと人との共存を描いたSF作品です。
2044年、太陽風の増加により砂漠化した地球は人口がたった2100万人になり、不足した労働力を補うためにAIを搭載した人型ロボットが人間をサポート。安全を確保するために、「生命に危害を加えてはならない」「オートマタ自ら修理・改造をしてはならない」という制御機能(プロトコル)が組み込まれていましたが、改造禁止のプロトコルが無効化されたオートマタが発見されます。妊娠している妻(ビアギッテ・ヨート・ソレンセン)と海辺の町で暮らすことを夢見ているジャック(アントニオ・バンデラス)は、オートマタを開発したロック社で働いており、プロトコルを変更した黒幕を調査することになりますが……
人間対AIとなるとAIの反乱を描いたものばかりでしたが、この作品ではオートマタは人間に危害を加えようとしません。人類の滅亡を予測し、自らの生き残りをかけて改造に着手しているのね。モラルの崩壊した人間よりAIの方が人間的というのが面白いです。人間の歴史の次に来る世界が、ロボットの歴史というのは哲学的でもありますな。アクションも適度に交え、地味ではありますが良質な作品といえま〜す。