童心といえば忍術

nostalji2017-06-28

友人から送ってもらった東映時代劇『少年猿飛佐助(三部作)』(1958年/監督:河野寿一)を観る。中村嘉葎雄東映娯楽版出演作品です。
姉のおマア(丘さとみ)とさすらいの旅を続ける少年・佐助(植木基晴)は、戸隠山で術者・山中山城守(薄田研二)に見出されて忍術の修行をします。山城守も舌を巻くほどの術者となった佐助は、ひょんなことから真田幸村里見浩太朗)と知りあい、上田の城へ。幸村の妹・百合姫松島トモ子)と仲良くなります。沼田城を北条に返すように言ってきた徳川家康の要請を断ったために、上田城は徳川軍に包囲されますが、佐助の活躍で徳川軍は撤退。
それから3年後、百合姫山東昭子)とおマアがおぎん婆(金剛麗子)にさらわれ、徳川家の榊原玄馬(永田靖)に売り飛ばされます。佐助(中村嘉葎雄)は幸村と二人を追う途中で裏切者の山賀弾正(富田仲次郎)を成敗し、駿府へ。術者・夜霧の源助(吉田義夫)の岩牢に閉じ込められていた百合姫とおマア救出して駿府城で大暴れ。
幸村に命じられて倉島主水(徳大寺伸)が新型大砲を製作しますが、使者が襲われて連絡がとれない状態となります。佐助が使者として製作所に行き、工事場で働くお絹(丸山英子)を間者と見破り、榊原玄馬に命じられた夜霧の源助と山賊・熊坂甚内(須藤健)が大砲を狙っていることを知るのね。大砲が完成して悪党一味が襲ってきますが……
低予算の東映娯楽版には珍しく総天然色・東映スコープで製作されており、中村嘉葎雄売り出しが目的ですね。徳川軍を大水で襲ったり、落雷で駿府城を破壊したりと、特撮も大掛りなものになっています。カラフルな忍術合戦も愉しいですよ。華やかな錦之助に比べて嘉葎雄は地味で、この手の映画の主役には向いていませんでしたね。演技の幅では、錦之助より嘉葎雄の方が上なんですけどねェ。