気になって

nostalji2017-09-05

友人に送ってもらった東映時代劇『風小僧(少年編)』を観る。『風小僧』は東映テレビ映画が初めて製作した子供向け時代劇で、NET(現:テレビ朝日)系列で1959年2月3日〜12月29日(全48回)放送されました。第1部:少年編と第2部:青年編に別れており、少年編(全13回)は東映特別娯楽版として6部作で劇場公開されています。子供の頃、テレビで観て以来の再見。
奥州煙ヶ嶽城主・鏑木氏勝(沢田清)は、家老の煙丸(古石孝明)によって城を奪われ殺されます。赤子だった氏勝の子・小六(目黒ユウキ)が忠臣・万作(堀正夫)に育てられ、旭上人(水野浩)や星影疾風之介(山城新伍)に学問や武芸を習い、風神の術を会得して風小僧と呼ばれるようになるのね。秘宝・白鳥の珠の隠された黄金10万枚でお家再興を誓いますが、妖術使いの鬼頭一角(小田部通麿)やミミズク婆(光丘和代)・悪太郎(木島修次郎)が白鳥の珠を狙って小六を襲撃。何処からともなく現れる風の神に助けられるものの、煙丸の家来・大鷲玄馬(近江雄二郎)や火車太夫(五里兵太郎)たちも小六を追っており、ピンチの連続。お秋(鳳衣子)と玉虫(市川恵美)の親子と過ごす楽しい時も束の間、強欲な豪族・塩辛太夫吉田義夫)の手下に襲われます。小六は野武士の左源太(五味勝之介)・おゆう(山本鳥古)兄妹に救われますが、玉虫は塩辛太夫の屋敷へ。左源太の手下・一郎太(浜田伸一)と情婦のおもん(霧島八千代)が鬼頭一角の仲間になり、おゆうを人質にして小六を誘き寄せ……以上「嵐を呼ぶ凶剣」まで。
大部屋俳優だった山城新伍が本格的にデビューした作品。演技はぎこちちなく、殺陣の動きも今イチです。仮面をつけた風の神の動きと、素顔の疾風之介の殺陣の動きがまるで違うので、風の神はチャンバラの巧い誰か別人のような気がします。大部屋俳優による集団チャンバラを見ていると、当時の殺陣のレベルの高さがわかりますよ。五味勝之介は後年悪役専門となる五味龍太郎ですが、1950年代は善い役が多いですな。演技はウ〜ンですが、殺陣と乗馬はなかなかのものです。映画では殆ど出番のない大部屋俳優たちが、テレビでは活き活きしていま〜す。