賢兄愚弟

nostalji2017-10-31

友人から送ってもらった西部劇『西部の旅がらす』(1958年/監督:ロバート・パリッシュ)を観る。平和に暮らしていた元ガンマンが暴れ者の弟のために苦労する神経衰弱西部劇です。
元は名うてのガンマンだったスティーブ(ロバート・テイラー)は、銃とは縁のない牧場生活をしていますが、牛を売りに行っていた弟のトニー(ジョン・カサベテス)が新しい拳銃と酒場女のジョーン(ジュリー・ロンドン)を連れて帰って来たことに不吉なものを感じます。昔の兄をあこがれるトニーは、仕事よりも拳銃の練習に夢中。町にスティーブを狙うガンマンのベナブル(チャールズ・マクグロウ)が現れ、トニーはベナブルを挑発して彼を撃ち殺します。有頂天になったトニーはスティーブの忠告をきかず、牧場に帰る途中でエリソン(ロイヤル・ダノ)率いる開拓者の一行を見つけ、乱暴狼藉。誰からも慕われている町の実力者デニーン(ドナルド・クリスプ)はエリソンに手出ししないようにスティーブに注意しますが、トニーがエリソンを殺したことから……
親代わりのテイラーと子どもの頃から暮らし、多くの死体を見てきたカサベテスの精神的異常性が画面をさらっています。狂信的な開拓農民のロイヤル・ダノもグッド。カサベテスの行動を悩むだけで予知できないテイラーは、ただのデクの坊。ジュリー・ロンドンを巡って兄弟の相克があるのかと思いきやロンドンは添え物にすぎませんでした。今イチ深みの足らない内容ですが、ロンドンが主題歌を劇中でも歌っているのが嬉しかったで〜す。