興味があって

nostalji2017-11-09

中野翠:著の『この世は落語』(ちくま文庫:2017年9月10日第1刷発行)を読了。30年来の落語ファンである著者が54作品を紹介しています。
落語ファンではありませんが、私も子供の頃よりそれなりに落語は見聞きしており、好きな分野です。最近では木曜夜10:25〜50(寝る前の丁度よい時間なのだ)に放送しているNHKの『落語 THE MOVIE』を楽しんでいます。落語作品を映像で見せるのですが、噺家の語りに合わせて現役役者の口が動くという手法をとっているのが面白いところです。落語は噺家が座布団に座って、扇子と手ぬぐいをせいぜい使うくらいで、噺家の表情・所作から観客は想像力をフルに働かせて楽しむものですが、想像力が欠如している現代人にも落語を楽しんでもらおうという試みですな。最近の噺家は、話芸は達者でも表情・所作が今イチなので一石二鳥ともいえます。生粋の落語ファンには邪道でしょうけどね。
でもって、本誌に紹介している54作品ですが、私が知っているのは半分もありませんでした。桂文楽三遊亭圓生古今亭志ん朝が演ずる噺が中心ね。著者は文楽ファンで、文楽の魅力を愛情あふれる筆致で語っています。文楽の噺を私は子供の頃に何作か聞いていますが、印象に残っていません。子供だったから文楽の芸がわからなかったのでしょうが、大人なった現在でも爆笑噺の好きな私には好みの噺家でなく、改めて聞く気はないです。私には、『落語 THE MOVIE』なんかで、気楽に楽しむのが向いていま〜す。