日本人の誇り

nostalji2017-11-12

松岡圭祐:著の『黄砂の籠城(上下巻)』(講談社文庫:2017年4月14日第1刷発行)を読了。義和団事件を描いた歴史エンターテインメントです。
日清戦争後、中国では外国人排斥を掲げる武装集団・義和団が勢力を増し、北京には20万人の義和団が集結。清国政府は“扶清滅洋”を旗印にする義和団を取り締まることなく、好き放題にさせます。義和団は暴徒化し、教会を焼討ち、東交民港(外国公使館区域)を包囲。西太后は連合国に対して宣戦布告を決断し、1900年6月19日に24時間以内の国外退去命令を伝え、翌日から攻撃が開始されます。以後、連合軍が北京を占領する8月14日まで東交民港は籠城。北京の55日ね。チャールトン・ヘストンが大活躍する映画『北京の55日』(1963年/監督:ニコラス・レイ)は全くのデタラメで、足並みの揃わない列強11ヶ国を先導し、籠城戦の指揮をとったのは日本の駐在武官・柴五郎だったのです。
物語は現代の北京から始まり、会社員の櫻井が契約相手先のチョウから櫻井の高祖父・櫻井隆一と彼の上官である柴五郎を尊敬していることと、100年前の事件を教えられます。それは日本人の叡智と勇気に世界が賞賛した出来事でした。戦闘シーンの描写だけでなく、清国に内通しているのは誰かというミステリーを加え、籠城戦がリアルに描かれていて、とにかく読んでいてワクワクします。災害時(ここでは籠城戦だが)における日本人の誇るべき資質を世界に知らせる好材料で、メチャ金がかかるでしょうが映画化して世界へ発信してもらいたいもので〜す。