続いて

nostalji2018-01-26

分冊百科マカロニウエスタン傑作映画DVDコレクション”の47巻に収録されている『愛は憎しみを超えて』(1987年/監督:ヴィンセント・ドーン)を観る。部族民を皆殺しにされたインディアン娘が復讐する日本未公開作品です。
南軍の残党に部落を襲撃され、父母を殺され残党の首領コナー大佐(アルベルト・ファーレイ)の慰み者にされるために捕まったインディアン娘ヤリン(マピ・ギャラン)は隙をみて逃げ出し、農夫のマット(ヴァシリ・カリス)に救われます。マットの死んだ妻はコナー大佐の娘で、インディアンに殺されたと思っており、ヤリンもマットの家に南軍兵士の制服があったことから互いに不信感を持つのね。コナー大佐は娘がマットと結婚したことからマットを憎んでおり、残党一味の襲撃を逃れるべく、二人は険しい山中へ逃れますが……
ハーレイ・クインのようなロマンチックな邦題と異なり、残酷趣味あふれる内容です。やたらと頭の皮はぎシーンが出てくるんですよ。悪党がインディアンの頭の皮をはぐだけでなく、悪党たちに復讐していくヤリンも殺した相手の頭の皮をはぐのね。原題の『頭の皮』というのが納得。マットがコナー大佐にリンチされるシーンは、『馬と呼ばれた男』に出てきた“太陽への誓い”の儀式を応用したものですな。『ソルジャヤー・ブルー』や『小さな巨人』における残酷シーンもちゃっかり頂いています。そういえば、音楽も『続・復讐のガンマン』などのブルーノ・ニコライの曲が使い回しされているとのこと。使えるものは何でも使え、というマカロニ精神あふれる作品で〜す。