本日も

nostalji2018-01-31

友人に送ってもらった西部劇『悪人への貢物』(1956年/監督:ロバート・ワイズ)を観る。非情な牧場主と若者との交友を描いた作品です。
東部からきた若者スティーブ(ドン・ダビンス)は馬泥棒に襲われて負傷した牧場主のロドック(ジェームズ・キャグニー)を助け、彼の牧場で働くことになります。ロドックは牧童たちを連れて馬泥棒を、その追跡隊にスティーブも加わるのね。盗まれた馬が発見され、3人の馬泥棒のうち1人は銃撃戦で死に、1人は吊し首にされます。ロドックを尊敬していたスティーブでしたが、法を無視する残酷な行為に抱いていた気持ちが薄らぐんですな。殺された男の息子(ヴィック・モロー)が、ロドックの愛人ジョコスタ(イレーネ・パパス)に横恋慕して牧場を追い出されたマクナルティ(スティーブン・マクナリー)に誘われて馬泥棒に加わり、ロドックへの復讐を決意。スティーブはジョコスタと親しくなり、一緒に牧場を出ようともちかけますが……
馬泥棒相手に暴力には暴力という自己流の法律を実践する主人公を演じるジェームズ・キャグニーの強烈な個性が光ります。ギャング映画で有名なキャグニーですが、大牧場のボスはピッタリで配下のカウボーイに有無を言わせない圧力がありますな。いつもは悪役のリー・ヴァン・クリーフも、ここではキャグニーの忠実な配下。この作品がハリウッド初出演だったイレーネ・パパスは今イチ魅力がなく、演技派女優として母国ギリシャでの活躍の方が印象深いです。傍役ではヴィック・モローの根性ぶりがグッド。主演クラスのドン・ダビンスより存在感がありましたよ。
昨日の『大爆破』が酷かっただけに、ロバート・ワイズにしては平凡な出来ですが、場面転換などに演出の上手さを感じま〜す。