南北戦争劇

nostalji2018-02-25

録画していた『ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男』(2017年/監督:ゲイリー・ロス)を観る。南北戦争当時、貧しい者や黒人奴隷のために“自由州”の設立を宣言して果敢に戦った実在の人物の伝記映画です。
南軍の衛生兵だったニュートン・ナイト(マシュー・マコノヒー)は、金持ちが兵役を免除され、若い甥が銃弾に倒れるのを目のあたりにして憤然とします。もはやこの戦いに正義を見いだせず、甥の遺体を家族のもとに届けるべく軍を脱走。故郷のミシシッピ州に戻った彼は脱走兵狩りに追われますが、奴隷女レイチェル(ググ・ンバータ・ロー)の手助けで沼地に逃げ込みます。そこに隠れ住むモーゼス(マハーシャラ・アリ)たち逃亡奴隷と心を通わせるのね。南軍に食料を搾取される貧しい白人農夫たちも加わり、彼らを率いてニュートン・ナイトは武器を持って起ちあがり、南部からの独立を宣言。彼らは自分たちのコミュニティーを“ジョーンズ自由州”と呼び、悪質な徴税制度を廃止、南軍の物資を押収して分配し、役人たちを追放しますが……
“自由”と“差別”と“銃”という、アメリカの根底を深く考えさせられる映画です。マシュー・マコノヒーマハーシャラ・アリの演技が抜群で、アカデミー賞候補になったのが納得。主人公を、黒人を助ける白人の救世主として描くのでなく、生身の人間として描いており、質の高い作品になっています。
今週のBSプレミアムの映画は、『荒野の用心棒』『ダンディ少佐』『襲われた幌馬車』『シャロン砦』『エルダー兄弟』と西部劇特集。南北戦争劇も私に言わせれば西部劇だよォ