実録関連で

nostalji2018-04-06

友人に送ってもらった『実録・私設銀座警察』(1973年・東映/監督:佐藤純彌)を観る。終戦直後の銀座を舞台に、自然発生的に生まれた暴力団の興亡を描いた東映の実録路線です。
終戦直後の銀座は三国人によって仕切られており、酒場で意気投合した池谷(安藤昇)・宇佐美(葉山良二)・樋口(梅宮辰夫)・岩下(室田日出男)の4人は三国人事務所に殴り込みをかけます。名を上げた4人は銀座の最大勢力愚連隊・山根兄弟(待田京介郷硏治)と対立。宇佐美はヒロポン中毒の渡会(渡瀬恒彦)を使って山根兄を殺し、弟たちも誘き出して殺します。銀座を制覇した4人は私設銀座警察と呼ばれ、それぞれ子分を持って独立。その中で経済感覚に優れた池谷が勢力をのばし、古いヤクザ体質の宇佐美と岩下が池谷の命を狙います。しかし、逆に岩下が池谷に殺され、宇佐美は命乞いをして、銀座は池谷が手中に収めますが……
ぬるい英国ギャング映画を観た後なので、衝撃は強烈。演出面での甘さを安藤昇に指摘された佐藤純彌でしたが、この作品は緊迫感にあふれ、ヴァイオレンス度は半端じゃありません。クレジットのトップは安藤昇ですが、実質的な主演は殺し屋役の渡瀬恒彦ね。渡瀬の存在が際立っていたために、作品全体のバランスが壊れています。それと、毎日女と遊び惚けることができればそれで満足というポン引きヤクザの梅宮辰夫がグッド。最後の乱痴気シーンは梅宮のためにあるようなもので、映画の本筋からは脱線状態。全体的にまとまりの悪さはあるものの、アナーキーな面白さは抜群で〜す。