忘れていたわけでなく

nostalji2018-04-17

観よう観ようと思いながら放ったらかしていた西部劇『荒野に生きる』(1971年/監督:リチャード・C・サラフィアン)を観る。ディカプリオが主演した『レヴェナント:蘇えりし者』と同じヒュー・グラスの実話を基にした作品です。
キャプテン・ヘンリー(ジョン・ヒューストン)率いる猟師団に加わっていたザカリー・バス(リチャード・ハリス)は、狩猟係の若者のヘマから灰色熊に襲われ重傷を負います。ヘンリーはリバーボートに積んだ毛皮を急いで運ぶために、ザカリー愛用のライフルを奪ってザカリーを置き去りにするのね。意識を取り戻したザカリーは、水場まで這っていってグミの実を食べたり、狼が襲ったバッファローの肉を食べたりしながらヘンリーを追います。一方、ヘンリー隊は先住民のアリカラ族に襲われて迂回を余儀なくされ……
『レヴェナント』で評判だった主人公が熊に襲われるシーンは、この作品でも中々の迫力で見せてくれます。それと、大砲をつけたリバーボートをラバにひかせる台車に乗せて、陸地を進む猟師団の色彩を抑えた映像も異様な雰囲気を醸し出してグッドです。映像の美しさでは『レヴェナント』が勝りますが、映像の工夫という点ではサラフィアンが優りますね。生きる執念を見せるリチャード・ハリスの演技(適役でもあるのだが)と、ジョン・ヒューストンの味わいある演技が、この作品を傑作にしていま〜す。