主題歌が先で

nostalji2018-05-11

本日も、主題歌レコードだけ持っていて未見だった梶芽衣子主演の『ジーンズブルース 明日なき無頼派』(1974年・東映/監督:中島貞夫)を観る。精神的に満たされない二人の若者が、刹那的行動の果てに自滅していく物語で、“野良猫ロック”の延長戦上にある作品です。
殺し屋(内田良平)の片棒をかついだ次郎(渡瀬恒彦)は殺し屋の報酬500万円を奪って逃走。退廃的な生活に嫌気がさした聖子(梶芽衣子)はレジの金をわしづかみにして車を走らせ、次郎の車とぶつかります。二人がいがみあっている時、漏れ出たガソリンが引火して二人の車は大爆発。この事故で急停車した車(運転していたのは福本清三)を奪って、二人は京都へ。金を持ち逃げされた殺し屋は手下(室田日出男と川谷拓三)と情婦(加納えり子)を連れて二人の足取りを追います。追手に発見された二人は……
ハンター(曽根晴美)から猟銃(ライフル)を奪い、ガソリンスタンドやヤクザの賭場を襲い、銃を乱射する後半は脚本が破綻しています。警官隊との銃撃戦なんか、『俺たちに明日はない』じゃ、ありませんか。中島貞夫の資質にあわず不出来な作品です。梶芽衣子アウトロー路線から脱却したがっていた時期で、演技もシラケ気味。ただ、ブルーコメッツの井上忠雄が作曲した彼女が歌うフォーク演歌的主題歌「ジーンズぶるうす」はグッドです。♪〜ああ 生き恥を ああ さらすより、いっそあの世へと 旅立つさ〜