時間があったので

nostalji2018-07-20

荻昌弘:著の『映画批評真剣勝負《作品鑑賞編》』(近代映画社:2012年3月10日第1刷発行)を読了。雑誌『スクリーン』に掲載されていた「鑑賞てびき」から1950年代〜80年代までの28作品の批評を新書として1冊にまとめたものです。
荻さんといえば、『月曜ロードショー』(TBS系列で1969年10月6日〜87年9月21日放送)での解説です。当時、洋画劇場が人気番組となっており、『日曜洋画劇場』では淀川長治が、『水曜ロードショー』では水野晴郎が、『木曜洋画劇場』では木村奈保子が、『ゴールデン洋画劇場』では高島忠夫が解説。私が一番好きだったのは、荻さん。淀長さんと比べると地味な存在ですが、深い教養と知性にあふれた解説は明晰で、主観にたよらない映画の楽しみ方を教えてもらいました。
この本でも、西部劇がなかったのは残念ですが、客観的な論評で名作とはどんなものかということを教えてくれます。ネットの普及で、映画作品の情報はあふれていますが、感想を共有(面白いか、面白くないかだけ)するものばかりで、映画鑑賞に役立つものは殆どありません。この本を読むと、映画の観方が変わりま〜す。