シリーズ最後

nostalji2018-10-08

友人に送ってもらった東映時代劇『新黄金孔雀城・七人の騎士(三部作)』(1961年/監督:山下耕作)を観る。孔雀老人(佐々木孝丸)から平和を築く使命を与えられた若者たちの物語です。
主人公の太郎丸(里見浩太朗)が、若者の手で平和を築くために孔雀の羽根で結ばれた仲間、虎丸(山城新伍)・鉄丸(河原崎長一郎)・風丸(山波新太郎)・熊丸(国一太郎)・誠丸(沢村訥升)・焔丸(坂口祐三郎)を仲間にしていきます。彼らの行く手に立ちふさがる悪党は、海賊あがりの城主・雲霧玄蕃(吉田義夫)、雲霧の手下・渦彦(尾上鯉之助)、雲霧の仲間の山賊・竜王(楠本健二)、そして雲霧と竜王の親分である西国大将軍(戸上城太郎)ね。
第一部では、奇妙な友情で結ばれた太郎丸と虎丸が、渦彦によって皆殺しにされた桃ノ木村の誠丸と小百合(三沢あけみ)を助けて村の古墳に眠る黄金を敵の手に渡るのを防ぎ、鉄丸と妹・花代(水原みゆき)は父の敵である雲霧を襲いますが失敗し、風丸・熊丸・渚(三原有美子)に助けられます。第二部では、雲霧と竜王が桃ノ木城を攻撃しますが、太郎丸たちが城主・菊姫(北条喜久子)を助けて撃退。雲霧と竜王は、彼らの頭領・西国大将軍がいる西国へ。第三部では、火の山で太郎丸は焔丸と知りあい(これで七人の騎士が勢揃い)、火の山の黄金を狙う西国大将軍たちを倒して大団円です。
『笛吹童子』に始まる東映の新諸国物語シリーズもこの作品で最後になります。若者たちが平和な世界を築くという一貫したテーマで子供たちに夢を与えてきましたが、テレビが普及し、子供たちのヒーローはテレビに移り、大人が観るには幼稚。物語作りが変わりばえのしない古臭いままで、東京オリンピックに向けて成長を開始した1961年には時代にあわなくなっています。当時、中学生になっていた私も、邦画は限られた作品だけで、洋画に興味が移っていました。前作の『黄金孔雀城』もそうでしたが、当時は全く興味のなかった作品です。先月、新たに観た『黄金孔雀城』が面白かったので期待したのですが、何じゃコリャという出来で大外れ。忍術合戦もなければ、チャンバラも今イチ。奇跡頼みの展開には、マイッタ、マイッタで〜す。