再び西部小説

nostalji2018-10-13

私家盤CDを聴きながら、何やかやあって積読状態だったルイス・ラムーア:著(加藤かざみ:訳)の『賭博師ファロン』(中央公論社:1984年8月30日初版発行)を読了。
賭博師ファロンは、いかさまの疑いをかけられて自警団に追われ、立ち往生している幌馬車隊に出会います。猛暑・土埃・疲労・前途の果てしない道程に気力を失っており、ファロンは彼らをレッドホースというゴーストタウンに案内。ファロンの叔父が金鉱を見つけて町を作ったのだがインディアンに襲われて住民は全滅、今では忘れ去られた町になっていると、嘘をついてね。ファロンの目的は金のでない鉱山を売りつけてサヨナラするつもりだったのですが、彼らは町の標識を立て、自分たちと同じように幌馬車で旅する連中を相手に商売を始めるんですな。レッドホースは町らしくなっていき……
主人公のファロンは拳銃が上手く、西部のことを知りつくしている男。自分ではその気がないのに町のリーダーにされたり、ファロンの行動に疑いを持ってケンカばかりしていた幌馬車隊の隊長の娘がファロンと愛しあうようになったり、ファロンを妬んで何かと問題を起こす若者が幌馬車隊の牛を狙って現れた無法者に憧れたりと、西部劇の定番フォーマットが随所に見られます。ファロンのイメージは、テレビ西部劇『マーベリック』のジェームズ・ガーナーね。映画化されたら面白い西部劇になったと思いま〜す。