帰京

nostalji2018-11-24

新幹線の中で、津本陽:著の『北の狼』(集英社文庫:1989年12月20日第1刷)を読了。表題作の他に全7編が収められた短編集です。
祇園石段下の血闘」は、示現流の指宿郷左衛門が維新前夜に佐幕派の侍八人と斬りあい、五人倒して自らも斬死した史実を基にしたもの。
「捨身の一撃」は、初めて人を斬った日の塚原卜伝を描いたもの。
「うそつき小次郎と竜馬」は、陸奥宗光(伊達小次郎)と坂本龍馬の交流を描いたもの。
「明治兜割り」は、老境にある榊原健吉の意地を描いたもの。
「道場剣法」は、竹刀稽古の経験しかない免許皆伝者の真剣での戦いを描いたもの。
「北の狼」は、永倉新八の苦渋に満ちた後半生の一期間を描いたもの。
「長しない」は、長竹刀で次々に道場を破る大石進を描いたもの。
著者自らが選んだ作品なので、どれも味わい深いものがありま〜す。