昭和の喜劇といえば

録画していた『男はつらいよ 葛飾立志篇』(1975年/監督:山田洋次)を観る。シリーズ16作目、教養を身につけようとする寅さん(渥美清)の物語です。
タイガー・キッドの寅さんが悪党(吉田義夫)を早撃ちで倒す西部劇(寅さんの夢なんですけどね)のプロローグで始まり、寅さんを“瞼の父”と思っていた女子高生・順子(桜田淳子)が“とらや”を訪ねたところへ寅さんが旅から帰ってきます。17年前、無一文だった寅さんは順子の母の食堂で食事をふるまってもらい、毎年正月に手紙と金(500円)を送っていたので順子が誤解したのね。順子から母親が最近死んだと聞き、寅さんは墓参りに行って住職(大滝修治)から学問の必要性を教えられ、勉学を決意。その頃、御前様(笠智衆)の親戚の礼子(樫山文枝)が“とらや”に下宿。旅から帰ってきた寅さんは、礼子に惹かれます。礼子は大学の考古学教室に通っており、礼子に歴史を教えてもらうことになった寅さんは、礼子の恩師・田所(小林桂樹)とも仲良くなり……
男はつらいよ”では、渥美清が台本にないアドリブを入れ、監督が吹きだしたという話が伝わっていますが、この作品でも樫山文枝が2~3回吹きだすシーンがあります。演技とは思えず、渥美清がアドリブを入れたんじゃないかなァ。それと、小林桂樹が社長シリーズで見せていた真面目だけどどこか可笑しいキャラがこの作品でも全開。タバコの煙とともに団子とお茶を一緒に飲み込んで目を白黒させるのは演技を越えていますよ。寅さんを初め、周りの連中が呆然としていましたからね。マンネリ・ストーリーですが、面白いことは間違いありませ~ん。

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