昭和の風物

録画していた『駅前満貫』(1967年/監督:佐伯幸三)と『駅前学園』(1967年/監督:井上和男)を観る。“社長”シリーズと並ぶ東宝の人気喜劇“駅前”シリーズの18作目と19作目です。
『駅前満貫』は、亭主の三平(三木のり平)に愛想をつかした染子(池内淳子)が雀荘を営む森田徳之助(森繁久彌)の妻・景子(淡島千景)を訪ねてきて森田家に居候。伴野孫作(伴淳三郎)と駒江(音羽信子)の夫婦は従業員の三平のために染子との寄りを戻させようとしますが、景子は染子を離婚させ昔馴染みの坂井(フラーンキー堺)と結婚させようとしたことから大騒ぎ。
“駅前”シリーズの特徴のひとつにニュース性をテーマにしていることがあるんですが、当時は麻雀ブーム。駅前や大学の近くには雀荘が必ず2~3軒ありました。当時のサラリーマンや学生で麻雀をしたことのない人はいないんじゃないかな。でもって、この作品ですが、森繁が雀荘を経営しているだけでストーリーと麻雀の絡みはありません。面白味はあまりなく、三木のり平だけが笑わせてくれました。

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『駅前学園』は、淡島千景が学長を務める学園を乗っ取ろうとする事務長(山茶花究)の悪だくみを、森繁・伴淳・フランキー・小沢昭一三木のり平が降板し、代わって登場)が叩き潰す物語。当時話題になっていた学園紛争ネタで女子高生のデモが出てきます。松尾嘉代野川由美子藤江リカ・松岡きっこが女子高生というのは喜劇といってもねェ。森繁と伴淳のからみは前作より面白く、笑えます。前作もそうでしたが、脚本家が考えたギャグはアナクロすぎま~す。