続いて

時代劇専門チャンネル開局20年記念作品『闇の歯車』(演出:山下智彦、脚本:金子成人)を観る。藤沢周平原作のサスペンス時代劇です。
居酒屋おかめで閉店まで酒を飲んでいる男たちに、伊兵衛(橋爪功)が押し込み強盗の話を持ちかけます。一緒に暮らしていた女が去り、裏社会で恐喝稼業をしていた佐之助(瑛太)もその一人。新たに出会った女と暮らしはじめ、裏社会から抜け出すために金を得ようと仲間に加わります。労咳の妻を抱える清十郎(緒形直人)は剣の達人、婚礼を前に愛人と別れる必要のある仙太郎(中村蒼)は夜目がきき、娘夫婦に養われて肩身の狭い弥十(大地康雄)は細工師で、それぞれ特技を持っているのね。商家が店を閉める黄昏時(逢魔が刻)、冥加金700両が集められた繰綿問屋に彼らは押し入り、清十郎が番頭に当て身をくらわし、佐之助が主人を脅して金の隠し場所を訊き出し、仙太郎が隠し場所まで案内し、弥十が金庫の錠前を外して伊兵衛の計画は成功しますが、外出していた店の女中が戻って来たことから……
これまでの時代劇専門チャンネルと同様にしっかりしたドラマ作りがされています。出演陣も充実。安心して見ていられますね。特に、居酒屋主人役の中村嘉葎雄は、せりふは少ないのですが、その佇まいだけで存在感抜群です。陰影のある映像は作品にマッチしていてグッド。『人情紙風船』などの過去の名作時代劇に影響を受けたようなシーンやカットが見受けられますが、作品の質を高める効果をあげていま~す。

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