帰省中に読んだ本

移動や待ち時間で、梶芽衣子:著の『真実』(文藝春秋:2018年3月30日第2刷)を読了。70歳になった梶芽衣子がこれまでのことを振り返った自伝です。
アイドルらしくない印象が強く残っている太田雅子時代から知っているのですが、日活でデビューする前にテレビドラマ『若い季節』(1961年放送)に出演していたのは知りませんでした。とはいっても、セリフのないチャームガール(プランタン化粧品という会社を舞台にしたドラマで、化粧品のモデルガール)のひとりだったのでリアルタイムで見ていても気づくわけないんですけどね。生放送だったので映像が残っていないのが残念。
1969年の『日本残侠伝』で太田雅子から梶芽衣子に改名します。名付け親は監督のマキノ雅裕。マキノ監督によって着物での芝居の演技指導を受け、所作が身についたとのこと。「下着をつけていないと思え」は、時代劇に出演する若手女優は常に念頭においてもらいたいですね。
野良猫ロック”と“さそり”のシリーズで、他に類似が全くいない梶芽衣子しか考えられないキャラを確立します。その後、アウトロー路線から脱却。テレビへ進出(『寺内貫太郎一家』の長女役は好評)したり、『無宿』(1974年/監督:斎藤耕一)で勝新太郎高倉健と共演、そして『曾根崎心中』(1978年/監督:増村保蔵)で一つのピークを迎えます。1980年代以降は、傍にまわるようになりましたが、私にとって今でもインパクトを与える存在です。この本の最後で、「年齢を隠さず、生身の正直な自分で勝負したい」と語っていますが、これからもどんどん挑戦してくださ~い。

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