二大レジェンドスター競演

録画していた『無宿(やどなし)』(1974年/監督:斎藤耕一)を観る。勝新太郎高倉健が共演した話題作です。
昭和の初め、穴吹錠吉(高倉健)と駒形玄造(勝新太郎)が出所します。駒玄は愛人・坂東梅之丞(藤間紫)率いる芝居小屋に戻り、錠吉は殺された兄貴分の女房を女郎屋へ訪ねますが既に死亡。女郎のサキエ(梶芽衣子)は、彼女の死因は自殺で、自分もああなりたくないので足抜けしたいと錠吉に懇願します。丁度、遊びに来ていた駒玄の助けをかりて足抜きに成功。錠吉が元潜水夫だったことを知った駒玄は、山陰沖に沈んでいるバルチック艦隊の金塊引き上げの話を持ちかけます。錠吉は兄貴分を殺した男・仙蔵(安藤昇)を追っており、二人の前から姿を消します。駒玄とサキエが金塊探しに苦労している時、仙蔵と仙蔵に殺しを依頼した大場親分(大滝秀治)を殺した錠吉が二人の前に現れ……
着流し姿の健さんと、白い麻の背広にカンカン帽の勝新という異色な二人が奇妙な友情に結ばれ、それまでの役柄とは全く異なる梶芽衣子が加わって宝探しをするという日本版『冒険者たち』を想定した勝プロの作品です。フランス映画的雰囲気ということで、その作風から日本のクロード・ルルーシュと称されていた斎藤耕一がメガホンをとるのですが、映像的には優れたものがあります。だけど、健さん勝新がその映像にマッチしていないんですよ。個性が強すぎるんですな。梶芽衣子だけは映像に溶け込んでいましたけどね。残念ながら、作品としては失敗作だと思いま~す。

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