追悼で

ピーター・フォンダ(79歳)さんが16日に亡くなる。でもって、ビデオからDVDにダビングして保存していた西部劇『さすらいのカウボーイ』(1971年/監督:ピーター・フォンダ)を再見。
娘が生まれたことも知らずに家を捨てて7年もの放浪の旅をしていた男(ピーター・フォンダ)が、仲間が殺されて仕返しした後、友人(ウォーレン・オーツ)を同行して家に帰ってきます。最初は夫を許さなかった妻(ヴァーナ・ブルーム)も懸命に働く夫をみて心を開き、友人は二人の邪魔になると考え、カリフォルニアに向けて出立。男が家族の幸せを守るために必死に働いている時、かつて仕返しした男から切り取られた友人の小指が届けられます。妻が引きとめるのもきかず、男は友人を救出するために旅立ち……
ニューシネマの特徴である辛口エンド(私の好みじゃない)ですが、オーバーラップとスローモーションを多用したピーター・フォンダの演出はヴィルモス・ジグモンドの撮影と相まって、静かな孤独ムードを漂わせた見事な作品となっています。男が水浴びする冒頭の逆光をいかしたシーンや、妻の農場に戻ってくる時の花が吹雪のように舞うシーンなど映像美がビデオだと今イチ。4Kでなくとも、ハイビジョン以上の映像で観たい作品で~す。

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