懐かしの時代劇

CATVの時代劇専門チャンネルで『紅つばめお雪』の最終回を観る。NET(現:テレビ朝日)系列で、1970年10月2日~12月25日放送のワンクール(全13回)番組で、当然リアルタイムでは観ておらず、今回もたまたま途中(第5回)から観始めたのですが、未見の時代劇に飢えていたこともあって面白かったです。
主人公のお雪(宮園純子)は、八重垣流小太刀の達人で、5歳の時に八重垣流始祖の父と伊豆大島に渡り剣術修行の日々を送ったために世間知らずの娘という設定。世間並の常識を持つために旅に出て、出会ったのが百姓出身の侍・藤吉(里見浩太朗)とヤクザ志願の与三郎(工藤堅太郎)で、三人で旅をしながら悪党退治をするんですな。60年代後半から70年代は、映画界から流入してきた時代劇スタッフによってテレビ時代劇は質量ともに充実しており、そんな中で際立った特徴のない作品はワンクールで消える運命だったようです。
宮園純子は、68年から69年にかけて東映の末期時代劇ともいえる毒婦シリーズ4本(『般若のお百』『人斬りお勝』『女刺客卍』『お勝凶状旅』)に主演したのですが、映画での宮園純子を知っている男性ファンは、復讐に燃える情念の女とは違う純真な女にガッカリしたんじゃないかな。宮園純子はイメージチェンジのテレビ主演だったのかも知れませんけどね。
工藤堅太郎と同格扱いになっている里見浩太朗は、現在では時代劇の大御所的位置づけですが、当時は任侠路線の東映にあっては行き場がなくテレビに目を向けた時期といえます。翌年の『水戸黄門(シ-ズン3)』の助さん役から、本格的にテレビ時代劇の顔になっていったような気がしま~す。

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