今度は悪役

西部劇パーフェクトコレクションに収録されている『サンアントニオの復讐』(1953年/監督:ジョセフ・ケイン)を観る。牛を輸送してメキシコ革命軍に協力する男を描いた日本未公開作品です。
南北戦争が始まり、民間人のカール(ロッド・キャメロン)は南軍の大佐としてテキサスの牛を運ぶことになります。しかし、途中で北軍待ち伏せされ、テキサスの大荘園の娘ジュリア(アーリン・ウェラン)をめぐってカールと敵対していたカルバー中尉(フォレスト・タッカー)が仲間を裏切って逃走。カールたちは全員捕虜になり終戦を迎えます。故郷に帰ったカールを待っていたのはメキシコ娘のマニナ(ケティ・フラド)。マニナの兄チノはメキシコ革命軍の隊長で、革命軍の捕虜になっているテキサス人50人との交換を条件に、食料不足の革命軍のために牛500頭をメキシコへ運びますが……
全てのトラブルが性悪女のジュリアに起因して展開するので、お話がスッキリしません。ジュリア役のアーリン・ウェランが今イチ魅力ないので翻弄される男たちがバカみたい。北軍やアパッチとの銃撃戦はありますが、見せ場はロッド・キャメロンとフォレスト・タッカーの殴り合いね。二人の格闘シーンに始まって、二人の格闘シーンで終わります。キャトルドライブでロッド・キャメロンと行動を共にする仲間の役で、ボブ・スティールとハリー・ケリー・ジュニアが出演。冒頭のジュリアの屋敷でのパーティー・シーンに、『ララミー牧場』のロバート・フラーがエキストラでチラッと顔を見せていたのが、この映画での収穫で~す。

f:id:nostalji:20190831093331j:plain