日本映画だが

録画していた『MR.LONG/ミスター・ロン』(2018年/監督:SABU)を観る。北関東の田舎町を舞台に台湾の殺し屋と住民の交流を描いたヒューマン犯罪アクションです。
台湾の殺し屋ロン(チャン・チェン)は、ナイフの達人で、表稼業はレストランの調理人。東京の台湾マフィアの暗殺に失敗して捕まります。殺されそうになるところを、何者かがマフィアを襲い、その隙にトラックの荷台に隠れて逃走。隠れていた田舎町の廃家で、台湾人を母に持つジュン(パイ・ルンイン)と知りあいます。ジュンの母リリー(イレブン・ヤオ)はシャブ中毒でロンはリリーを治療。何かとジュンの世話をしていた近所の住人たちはロンの料理に感心し、ロンに牛麺屋の屋台の世話をします。ロンの牛麺屋台は行列ができるほどの人気店になりますが、リリーをシャブ中毒にしたヤクザがリリーを見つけ……
アクションシーンは冒頭の台湾での殺しのシーンと、ラストのヤクザ&台湾マフィア相手の戦いだけですが、相手の頸動脈を切り裂き、心臓を突き刺していくナイフ・アクションはスピーディーで見応えがあります。座頭市の居合斬りの殺陣を見ている感じですな。
お節介やきの住民との交流など前半までは良かったのですが、中盤はリリーをめぐる話になり、テンポが悪くなり、焦点もボケてきます。たまたまロンを救う結果となった台湾マフィアを襲った男(殺されますが)は、ジュンの父親・賢次(青柳翔)で、リリーと賢次の純愛話やリリーが転落していく経緯をリリーが回想。前半のトーンからすると違和感ありです。
作品的には今イチの出来ですが、言葉の通じない相手でも、その人の良さがあれば、住民が皆で助けるという、韓国ドラマにはない民度の高さを感じま~す。

f:id:nostalji:20191121104727j:plain