観るものがなくて

ビデオからDVDにダビングして保存していた西部劇『ビッグ・ジム』(1966年/監督:ジョセフ・ペヴニー)を観る。牧場を守るために凶暴な灰色熊と戦う男の物語です。
元保安官のジム・コール(クリント・ウォーカー)は、祖父が遺こしたワイオミングの牧場へ家族や相棒のサム(ドン・ハガティー)と移住してきます。ジムの牧場を買い取ろうとする町の実力者ジェッド(キーナン・ウィン)の息子(ロン・エリー)たちの嫌がらせも平気の平左。しかし、春になって悪魔と呼ばれる灰色熊(グリズリー)が出現して家畜を荒らします。度重なる被害に妻のアンジェラ(マーサ・ハイヤー)は弱気になりますが……
クリント・ウォーカーが長らく映画化を望んでいた原案というだけに、ビッグ・ジムと呼ばれる大男の役にピッタリ。前半は、年齢を重ねるごとに人の好い役が多くなってきたジャック・イーラムと幼いジムの娘との交流など長閑なホームドラマ的展開ですが、財政難になって賞金を得るためにウォーカーがグリズリー退治に乗りだす後半は、宿敵の賞金稼ぎ(レオ・ゴードン)が現れ、活劇的要素が増えます。本物の熊による撮影という限界もあって、熊とのアクションシーンはスケール感が今イチ。VFXが発達した現在なら、もっと迫力あるシーンが撮れたかもねェ。

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