名監督作品ということで

録画していた『暗殺のオペラ』(1971年/監督:ベルナルド・ベルトルッチ)を観る。かつて反ファシズムを掲げて暗殺された父親の真相を探る青年の物語です。
1960年代半ば、北イタリアの小さな町タラにアトス・マニャーニ(ジュリオ・ブロージ)がやって来ます。彼の父は、20数年前、ムッソリーニ政権下でファシズムと闘って命を落とし、記念碑まで建てられた英雄。アトスを町に呼んだのは、父のかつての愛人ドライファ(アリダ・ヴァリ)で、父の死には不可解なところがあるので真相をつきとめて欲しいと依頼されます。アトスは、父の敵であった大地主や、反ファシズム抵抗運動の生き残り3人を訪ねますが……
父が裏切者で、同志の3人に暗殺してもらってファシストの仕業に見せかけることに成功したという真相が、日常的なじっくりとしたタッチで描かれ、じわじわと言い知れぬ不安がにじみでてきます。サスペンス映画として観たら物足らなさはありますが、隠し事を持つ人間内面ドラマとしては重厚な味わいがありま~す。

f:id:nostalji:20191216070907j:plain

画像上部は、アリダ・ヴァリヒッチコックキャロル・リードヴィスコンティミケランジェロ・アントニオーニルネ・クレマンロジェ・ヴァディムパゾリーニダリオ・アルジェントといった名監督の作品に出演している名女優です。私が印象に残っているのはキャロル・リードの『第三の男』でのラスト・シーンね。