これで最後

友人に送ってもらった『優しい悪魔』(1952年/シドニーサルコウ)を観る。特殊な状況の中で惹かれあうようになる男と女のラブ西部劇です。
ニューオリンズの酒場の莫連女ロキシー(イボンヌ・デ・カーロ)は、男を騙して金をまきあげる性悪女。そんなロキシーに船乗りのトランスコット(ロック・ハドソン)は惹かれます。病気で倒れていたリンダを救い、トランスコットの金を盗んでロキシーはリンダの家に逃げますが、リンダは赤ん坊を残して死亡。そこへ南北戦争で死亡したリンダの夫の実家から連絡があり、そこが大金持ちと知ってロキシーはリンダになりすましてサンフランシスコの上流階級へ。やがてトランスコットがロキシーの前に現れますが……
“なりすまし”という設定は、よくあるパターン。デ・カーロを偽者と疑って調べるのが、リンダの死んだ夫の従姉妹役のボディル・ミラーですが、今イチあくの強さがなく、デ・カーロと比べると迫力不足。デ・カーロは洗練された淑女となり、男たちから言い寄られますが、心に引っかかっているのがロック・ハドソン。結局最後は正体がバレますが、デ・カーロは上流階級の生活が退屈だったので、ハドソンと結ばれてメデタシ、メデタシというラストです。登場人物に極悪人がおらず、スリルもサスペンスもありませ~ん。

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画像は、イボンヌ・デ・カーロとロック・ハドソン。やっと主演クラスになった頃のロック・ハドソンで、若々しいですな。彼の映画は色々観ていますが、いつも長身のたくましい男ぶりを見せていたので、1985年にエイズにおかされて痩せおとろえた写真を週刊誌で見た時はおどろきました。