メガヒット作品なので

録画していた『愛と死をみつめて』(1964年/監督:斎藤武市)を観る。発行部数160万を突破、1964年のジャーナーリズムの話題を一手にさらった大島みち子と河野実の感動の純愛記録の映画化です。
浪人中の学生・高野誠(浜田光夫)は、入院中に入院生活をおくっている小島道子(吉永小百合)と知りあいます。誠は大学に入り、道子も一度退院して大学へ入りますが、軟骨肉腫という奇病でまた入院。不治の病と知って道子は誠に別れの手紙を書きますが、駆けつけた誠に励まされます。道子は誠の愛に支えられて難手術をくりかえしますが……
父親役に笠智衆、道子と同室の患者役に北林谷栄ミヤコ蝶々笠置シズ子、道子が世話をする患者に宇野重吉と、脇役がドラマに厚みを加えています。吉永小百合自身が望んでいた作品だけに彼女の必死な演技が光ります。斎藤武市の演出も彼女のアップを多用し、顔半分をガーゼで覆った痛々しい姿が観客の心をゆさぶり大ヒット。吉永小百合が歌う主題歌とは別に、青山和子の♪~マコ、甘えてばかりでごめんね~の歌も大ヒット。今ではすっかり色あせていますが、人の心が打算的になる経済優先の高度成長時代、このようなピュアな純愛物語に大衆は飢えていたんでしょうなァ。

f:id:nostalji:20200129070025j:plain