時代劇なので

録画したままだったBSプレミアムの正月(1/11)時代劇『さぶ』を観る。山本周五郎原作の人情時代劇です。
経師屋に奉公する栄二(杉野遥亮)とさぶ(森永悠希)は親友ですが、性格は対照的。敏捷で腕もたつ栄二に対して、さぶは鈍重。二人が通う居酒屋の女中お信(木竜麻生)をさぶは好きなのですが、自分で言うことができません。栄二は、仕事に行った両替屋で女中のおすえ(白本彩奈)と知りあい、互いに惹かれます。しかし、両替屋の娘も栄二に惚れており、結婚したいと思い詰めるほど。ある日、栄二とさぶが仕事をしているその両替屋で金襴の布が紛失し、栄二の道具箱から発見されます。盗みの罪を着せられて自暴自棄になり、石川島の人足寄場送りとなった栄二は、人間不信に陥り、周囲と打ち解けないトラブルメイカー。そんな栄二を忍耐強く励ますさぶ。そして人足仲間の与平(村杉蝉之介)や役人の岡安喜兵衛(佐戸井けん太)などと触れ合うことで栄二の心境も変化。赦免後、栄二はおすえと結婚し、さぶが準備していた経師の商売を一緒に開始します。しかし、真犯人は娘との仲を裂こうとした両替屋の主人と思っている栄二が赦免後も両替屋の前に佇むのを見てサブは、栄二が両替屋へ復讐するのを怖れて金襴の布を道具箱に入れたのは自分だと告白。栄二とさぶの友情が壊れるのを目の当たりにしたおすえが真実を話します。栄二と両替屋の娘の結婚を怖れたおすえの仕業だったんですな。でもって、栄二はおすえを許し、さぶとの友情も戻り、メデタシ、メデタシ。
原作は読んでいませんが、ダイジェスト的で全体的に薄っぺらい感じがします。栄二とおすえの関係に深みがないんですよ。白本彩奈の演技も表現不足。杉野遥亮の演技も、寄場の経験に感謝するまでになった栄二の心境の変化には物足りなさが残ります。愚鈍な役というのは、下手くそな役者も演技派にみせるキャラなので、森永悠希はもうけ役。若手俳優のチャレンジということは評価できますが、それだけね。ちなみに、テーマは、「どんな人間だって一人で生きるわけじゃない。多くの人の支えがあって何かを成し遂げる」で~す。

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