続いて

帰省中に荒山徹:著の『白村江』(PHP文芸文庫:2020年2月28日第3刷発行)を読了。7世紀中盤の朝鮮半島と日本を舞台にした歴史小説です。
663年の白村江の戦いの21年前、兄王(義慈王)によって処刑されかけた百済の王族・豊璋が、天皇位簒奪への野心を燃やす蘇我入鹿によって倭国に連れてこられるところから物語は始まります。新羅の金春秋、高句麗の泉蓋蘇文、倭の蘇我入鹿葛城皇子(のちの天智天皇)など、各国の思惑が入り乱れ、大化の改新朝鮮半島の動乱、そして白村江の戦いへと連なる歴史の裏で繰り広げられる陰謀を活写。
基軸となる人物が不在なため、ストーリー展開が少し散漫になっています。古代日本と半島の関係を描いた小説は珍しいので、その点は楽しむことができ、満足、満足で~す。

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