リメイクでなく

録画していた『MISTY ミスティ』(1997年/監督:三枝健起)を観る。芥川龍之介の小説『藪の中』を黒澤明の『羅生門』とは違う切り口で描いた作品です。
森の中を都に向かっていた武弘(金城武)とその許婚者・真砂(天海祐希)は、野獣のような男・多襄丸(豊川悦司)に襲われます。夜が明けて、森の中で武弘の死体と斬り落とされた多襄丸の手が発見され、検非違使の役人たち(小日向文世六平直政篠井英介)が調査。真砂と多襄丸、それに武弘の臨終に立ちあったという盗賊少女ミミズ(小西杏奈)の証言は食い違い……
人間の業をテーマにしたのでしょうが、作品としての生気がないのが致命的。ダラダラした展開にパンチのない演出で、黒澤明の『羅生門』とは比べる以前の作品です。ただ、若い頃の天海祐希って、現在と違って意外と妖艶で~す。

f:id:nostalji:20200408065835j:plain