愛すべき悪党

西部劇DVDの『郵便配達は馬泥棒』(1942年/監督:ノーマン・Z・マクロード)を観る。気のいい無法者が気の強い女性を好きになり、町の住民にも愛される存在になるという劇場未公開のコメディ作品です。
馬泥棒のバゴット(ウォレス・ビアリー)は酒場で知りあったミケル(J・キャロル・ナイシュ)と、砂金を乗せた郵便馬車の襲撃を計画。しかし、覆面男に先をこされ、配達人を殺すところを目撃し、彼らを追い払います。郵便馬車の女性経営者で配達人のクレマンティン(マージョリー・メイン)はバゴットが好きになり、配達人として彼を採用。バゴットもクレマンティンが好きになり、郵便配達を引き受けます。酒場で郵便強盗を見つけ、バゴットは正当防衛で撃ち殺しますが、その男が配達先で仲良くなった少年トミー(ダーリー・ヒックマン)の父親とわかり……
ウォレス・ビアリーが持ち前の豪快野卑なならず者をユーモアたっぷりに演じ、マージョリー・メインはビアリーがシャッポを脱ぐほどの気の強いオバサンで、この二人のかけあいが漫才コンビさながらに笑いをさそいます。郵便馬車や鉄道を襲おうとして何度も悪党に先をこされ、それが瓢箪から駒となって悪党退治して英雄になるという繰り返しは芸がありません。ストーリー展開も雑なところが多く、少年との絡みなど定型パターンですが、明るい話なので是としましょう。
画像は、ウォレス・ビアリーとマージョリー・メイン。

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