ワサビの次は

録画したままだった『サムライ』(1967年/監督:ジャン・ピエール・メルヴィル)を観る。孤高の殺し屋を描いたクライムサスペンスです。
殺し屋のジェフ(アラン・ドロン)は、コールガールの恋人ジャーヌ(ナタリー・ドロン)にアリバイを頼み、ナイトクラブの経営者を殺害。しかし、クラブの歌手バレリー(カティ・ロジェ)に顔を見られます。警察が捜査を開始し、クラブの客や従業員の目撃証言から主任警部(フランソワ・ペリエ)はジェフを容疑者のひとりとして連行。主任警部はジェフが犯人と直感しますが、バレリーは否定し、ジャーヌのアリバイ証言もあってジェフは釈放されます。ジェフは殺し依頼の仲介人から残金を受け取ろうとしますが、逆に殺されそうになり、殺しの依頼主をつきとめようとして……
日本の“葉隠れ”思想を持った殺し屋という設定。殺し屋が身支度を整えて出かけるまでの長い描写は、アラン・ドロンだから成り立つシーンで、他の役者がやったら陳腐で退屈なものになるでしょうね。メルヴィルの冷たく静かな演出は、ドロンの魅力と相俟って効果をあげています。「武士道とは、死ぬことことと見つけたり」で~す。
画像は、アラン・ドロンとナタリー・ドロン。この二人、夫婦だったんだよなァ。

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