たまには読書

北野圭介:著の『ハリウッド100年史講義』(平凡社新書:2016年3月24日第7刷発行)を読了。ハリウッド100年の歴史を、製作・配給と上映・鑑賞といった映画の大切な局面を関連づけて、時代枠ごとに分かりやすく解説しています。
序章:ハリウッド前史、第1章:ハリウッド誕生、第2章:夢見るハリウッド、第3章:古典的ハリウッドの誕生、第4章:黄昏に輝くハリウッド、第5章:70年代以降、第6章:世界が舞台、今日のハリウッド、という構成。
70年代までは、日本もハリウッドと同じような流れですな。最初は見世物として始まり、ストーリーのあるものへ。さらに社会性のある深みのあるドラマが作られるようになります。労働者階級の娯楽から知識階級まで拡がり、さまざまな演出テクニックで感動を提供。映画製作はシステム化し、スターは商品化、直営館での上映と、映画産業は最盛期を迎えます。しかし、テレビの普及でたそがれていき、既存のやりかたは通用せず、70年代で終焉。80年代以降は、新たな模索の時代となり、現時点では世界を市場にメガコングロマリット化が成功したハリウッドだけの独占状態ですな。

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新書のブックカバーはどれも同じで面白みがないので、画像は、『大列車強盗』(1903年/監督:エドウィン・S・ポーター)のラストシーン。『大列車強盗』は、初めてストーリーをもった映画です。ラストシーンは、強盗の首領がカメラに向かって拳銃をむけ、狙いを定めてズドン。観客は自分が撃たれるようでビックリしたでしょうねェ。ちなみに、これは最初の西部劇なんですが、当時はまだ実際の列車強盗も発生しており、過去の物語じゃないんです。