帰省中に読んだ本

移動や待ち時間を利用して高井忍:著の『漂流巌流島』(創元推理文庫:2010年8月13日初版発行)読了。表題作の他に、「亡霊忠臣蔵」「慟哭新選組」「彷徨鍵屋の辻」を収めた連鎖歴史ミステリーです。
「漂流巌流島」は、宮本武蔵佐々木小次郎の巌流島の決闘の真相を推理した第2回ミステリーズ!新人賞(2005年)受賞作品です。一級資料には巌流島の決闘が詳細された記述がなく、ピンからキリまでの資料で大胆に推理。はっきり言って都合のよい解釈で真相究明しているんですが、中身が濃くて納得感があります。
「亡霊忠臣蔵」は、赤穂浪士を預かった細川藩の45年後、藩主・宗孝が殿中で襲われて死亡した事件を推理。赤穂浪士の討ち入りを絡めて真相究明。
「慟哭新選組」は、新選組池田屋襲撃について、近藤勇の襲撃目的の裏事情を大胆解釈。
「彷徨鍵屋の辻」は、鍵屋の辻での仇討後、池田家に預けられた荒木又右衛門が急死した謎について推理。
いずれも、論理的にまことしやかですが、純粋に遊戯としての推理を楽しめま~す。

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