訃報を知って

友人に教えてもらったアントニオ・モンダがエンニオ・モリコーネにインタビュー(中山エツコ:訳)した『エンニオ・モリコーネ、自身を語る』(河出書房新社:2013年8月20日初版発行)がブックオフにあったので歓び勇んでゲットし、即読了。

生い立ちから音楽家としてのキャリアについて、手がけてきた映画音楽や一緒に仕事をした映画人について、多彩なジャンルの作曲について、モリコーネ自身が語っています。はじめは、映画音楽の作曲家になろうと思っていなかったとのこと。

『太陽の下の18歳』の主題歌「サンライト・ツイスト」(歌:ジャンニ・モランディ)は日本でもヒットしましたが、モリコーネは映画題名を憶えておらず、ひどい曲だと言っているのが面白いです。流行(当時ツイストはブームになっていた)を追うのは嫌だったようですな。

残念な思い出としては『天地創造』の音楽を担当することになったのですが、製作者のディーノ・デ・ラウレンティスが音楽出版の専属を求めてきたので断ったこと。その時に作曲した曲は他の作品に流用したのでムダにはならなかったようです。年間20本以上の映画音楽を担当できたのも、未発表の曲を多くストックしていたからだとわかりました。ちなみに、『天地創造』の音楽は黛敏郎が担当。

モリコーネといえばマカロニウエスタンの音楽家というイメージがありますが、レオーネとの成功のあと、限定されたジャンルの作曲家と見なされるリスクをさけるため、ウエスタンの依頼がきたら違う曲もやらせてくれたら引き受けるという条件を出したとのこと。手がけたウエスタンは36作で、モリコーネの仕事全体からすれば8%にすぎませ~ん。

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