最後に

『ちかいの魔球』(福本和也:作、ちばてつや:画)の6巻~7巻を読了。

6巻は、中日に入団した寿楽寺を応援する男から二宮光は寿楽寺に打たせるように脅されますが、光は寿楽寺と正々堂々勝負し、あせって投げたシュートを場外ホームランされます。寿楽寺は光がわざと打たせたと誤解して逆上。巨人軍合宿所に乗り込んだ寿楽寺は光と話し、誤解だったことがわかります。阪神の大田原は四つに見える新魔球の真の球には影があることを見抜き、新魔球を打つことに成功。久保は大田原と賭けをしており、賭けに負けて故郷へ帰ります。光も久保を追って故郷へ帰りますが、家に入れてもらえず久保と二人で放浪。流浪中に消える魔球を投げる老人に出会い、必死に弟子入りして第3の魔球をマスター。

7巻は、ペナントレースも終幕になり、低迷している巨人軍に戻った光と久保は阪神戦で先発復帰。大田原を第3の魔球で打ち取り、パーフェクトピッチングを展開します。9回裏、代打の切り札・遠井と相対した光は、遠井にさんざん粘られ、4球以上投げるなと言われていた第3の魔球を投げ、三振にうちとって完全試合を達成。しかし、肩に致命傷を負い入院します。結局、巨人はこの年、優勝はおろか4位に低迷。医者から光は投手として再起不能であることを告げられた川上は、来日中の大リーグ、デトロイト・タイガース戦に投げさせて最後を飾らせることを決意。光は全日本軍の先発として登板し、母がスタンドで見守る中、ターガースを完封します。光は久保と一緒に故郷に帰り、母校の野球指導者として迎えられてオシマイ。

後年、『巨人の星』を読んだ時、『ちかいの魔球』をパクッていると思いました。『ちかいの魔球』をリアルタイムで読んでいた人は誰もが感じたんじゃないかな。漫画評論家夏目房之介は、『巨人の星』の類似点をあげ、『巨人の星』が『ちかいの魔球』の頂きであると云っています。梶原一騎もそれを認めており、『ちかいの魔球』も『巨人の星』も、『少年マガジン』の元編集長・宮原照夫が企画し、漫画家・原作者へのプロデュースをしていたことから似たようなものになったとのこと。『ちかいの魔球』に不足しているところを梶原一騎が大きく膨らませ、『巨人の星』が野球マンガの金字塔になったのは間違いありませ~ん。

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