邦画といえば時代劇

録画していた『3人の信長』(2019年/監督:渡辺啓)を観る。今川家の残党が捕まえた3人の信長のうち、本物は誰かを巡るコミカル時代劇です。

浅井・朝倉の挟み討ちにあって金ヶ崎から敗走中の織田信長を、かねてから信長をつけ狙っていた蒲原氏徳(高嶋政宏)たち今川家の残党が捕まえます。ところが、捕まえた信長は3人。頭がきれる傾奇者の信長・甲(TAKAHIRO)、貫禄があって尊大な信長・乙(市原隼人)、うつけ者だが心が読めない信長・丙(岡田義徳)。残党一味には信長の顔を知っている者がおらず、本物の信長を見定めようと、あの手この手で迫っていきますが……

発想は面白いのですが設定が悪いです。今川家の残党は信長の首を義元の墓に捧げようとしているのですが、信長の顔を知らないというのが問題。浪人となってからの期間中に信長の顔を知る機会はいくらでもあったと思われるからです。最後に信長と相撲をとったという人物を連れてくるんですが、そんな奴がいるなら3人の首をとって、首検分させればすむ話。3人を捕まえるのが賞金目当ての落ち武者狩りの農民だったら、信長の顔は知らないだろうし、偽首を持っていったら逆に罰を受ける可能性もあって納得感があるんですけどねェ。全体的には今イチなんですが、TAKAHIRO・市原隼人岡田義徳の3人の信長と、高嶋政宏とのやりとりは味があって面白かったで~す。

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