帰省中に読んだ本

移動時間や待ち時間で、高橋克彦:著の『天狗殺し』(集英社文庫:2003年12月20日第1刷発行)を読了。12話からなる連鎖短編小説です。

主人公は、巷の噂を売り買いし、瓦版を発行して一儲けする、江戸の広告代理店・広目屋“藤由”に居候する剣の達人・香冶完四郎。尊王攘夷の風が吹き荒れる京都の世情を取材すべく戯作者の仮名垣魯文と旅立ちます。道案内に雇われたのが、土佐藩の若き武士・坂本龍馬ね。

行く先々で待ち受けるのは、お岩怪談や、白魔王、天狗の殺人といった怪事件ばかり。完四郎の論理的推理と剣の冴えが魅力になっています。各話毎に安藤広重の浮世絵が挿画として使用されており、物語とシンクロしていてグッド。

シリーズ2作目にあたるのですが、前作を読んでいなくても楽しめます。

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