西部劇だったので

ブックオフでゲットした中古DVD『トゥルー・リベンジ』(2010年/監督:ティラー・ラッセル)を観る。血ぬられた荒野をさすらう女ガンマンの復讐を描いた劇場未公開の西部劇です。

20世紀初頭のメキシコ、無法者のランサム(スコット・スピードマン)が武器密売のいざこざから殺されます。ランサムの恋人ジュリエット(リジー・カプラン)は、遺体をひきとりに行きますが、遺体を預かる呪術師マリア(コート・デ・パブロ)はランサムに弟を殺されたことから引き渡しを拒否。マリアはランサムの父親プライド(ドワイト・ヨーカム)を恨んでおり、ジュリエットにランサムの弟チャンプ(ジョン・フォスター)を連れてくるように要求。ジュリエットはテキサスに住むチャンプを言葉巧みに誘い出し、遺体を取り戻す旅に出ます。悪徳牧師のプライドは、かつてメキシコで一緒に悪業を働いた娼婦宿のシェパード(クリス・クリストファーソン)に頼んで凶悪な殺し屋を雇い、二人を追跡。ジュリエットとチャンプは、アル中の元軍人、2挺のショットガンをあやつる小人、ヤミ医の双生児といった連中との出会いを経て、再度マリアと対峙しますが……

セピアカラーで荒寥感をだし、モノクロによるフラッシュバックでスタイリッシュな映像を狙っていますが、気取っているだけで効果をあげていません。主人公の女ガンマンは颯爽としたところがなく、物語もゴチャゴチャした展開で退屈なだけ。ペキンパー&タランティーノテイストなんて、どこにもありゃしません。

私が西部劇を好きになったのは、面白く楽しかったからです。青空のもとに果てしなく広がる荒野、その中にそれこそ点とも見えないほど小さくたたずむ男。自然はあまりにも広大であり、余りにも厳しく、人間に容赦しない。日本では考えられない世界で展開する物語に興奮したからです。最近はチマチマした西部劇ばかりで、ましてやカナダで作った西部劇が面白いわけないで~す。

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