続いて

BS-TBSの開局20周年記念ドラマ『上意討ち』(脚本:金子成人、監督:服部大二)を観る。池波正太郎原作の時代劇です。

剣の達人・田中源四郎(尾上松也)は、自分の許婚者を側室にしようとして自害に追い込んだ主君(宇梶剛士)をブン殴って出奔。かつて、御前試合の決勝で源四郎と立ち会った森十兵衛(永山絢斗)に上意討ちの命が下ります。十兵衛は源四郎に同情しており、出会っても戸惑いが生じて逃がすことに。藩はそんな十兵衛を見限り、新たに4人の源四郎追跡者が出立。母(高島礼子)の死を知らされた十兵衛は、気力もなく彷徨するうちに行倒れとなり、庄屋の彦八(中村梅雀)とお妙(桜庭ななみ)の父娘に助けられて……

サムライ社会の理不尽さを描いています。サムライを捨てた十兵衛は幸せになり、源四郎は死に場所を見つけて本懐をとげ、可哀そうなのは源四郎に斬られた4人の追跡者。彼らだって上意討ちなんてしたくなかったろうにね。宇梶剛士のキャラだけで悪い主君に見せようとしていますが、平侍の妻になるより、殿様の側室になる方が幸せになると考えていたのが当時の風潮で、その辺の描き方が不足。それと、ラストのナレーションも不要。殿様が殺されても、病死扱いするので噂なんか伝わってきませんよ。十兵衛だけが真実を感じるだけでよかったような気がします。考証に弱いところがありますが、時代劇が好きなので作ることに意義ありで~す。

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