西部劇ついでに

録画していた『太陽の中の対決』(1966年/監督:マーティン・リット)を観る。エルモア・レナードの小説『オンブレ』の映画化です。

1880年代のアリゾナ、オンブレと呼ばれてアパッチに育てられたジョン・ラッセルポール・ニューマン)は、養父の遺産として下宿屋をもらいます。彼はそれを売り払い、コンテンションの町で馬を買おうと計画。駅馬車は廃業されており、コンテンション行きの特別仕立ての馬車に乗り込みます。駅馬車で働いていたメンドーサ(マーティン・バルサム)が馭者で、同乗者はインディアン管理官だったフェーバー(フレドリック・マーチ)と妻のアンドラ(バーバラ・ラッシュ)、下宿屋の管理人だったジェシー(ダイアン・シレント)、ビリーとドリーの新婚夫婦、そしてグライムス(リチャード・ブーン)という男。駅馬車は途中の山道で4人のガンマンに待ち伏せされます。彼らのボスがグライムスで、インディアン用の食糧を横流しして溜め込んだフェーバーの金を狙っていたのね。金を奪うと、二人は駅馬車の馬を追い払うために去り、グライムスはアンドラを人質にして逃走。ジョンは残ってディーン(デビッド・キャナリー)と、ディーンを呼びに来たブレイトン(キャメロン・ミッチェル)を殺します。ブレイトンがフェーバーから奪った金を持っており、ジョンたちは取り返した金を持って廃坑に向かいますが、グライムスたちが追ってきており……

主人公の性格を描いた序盤は、的確な演出で異色な面白さがあるのですが、馬車で出発してからが、小説ほどサスペンスが盛り上がりません。小説はビリーに当たる人物の一人称で描かれており、映像で見せられると第三者感覚になって感情が伝わらないんですよ。娯楽性を廃して、リアリズムに徹しており、ニューシネマ西部劇の先駆けとなった作品ですが、私の好みじゃなく、西部劇の面白さがありません。

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