海外ドラマから

録画していた『宇宙戦争(全4回)』を観る。H・G・ウェルズの古典SF小説を約12億円の製作費を投じて映像化した英国BBCのドラマです。

20世紀初頭のロンドン南西部の田舎町ウォーキングに流れ星のような巨大な球体が落下。愛するエイミー(エレノア・トムリンソン)と駆け落ちしてこの町で暮らしていた新聞記者のジョージ(レイフ・スポール)は、近所に住む化学者オグルビー(ロバート・カーライル)とその物体を見に行きます。すると、その球体は浮かび上がり、見物人を攻撃。さらに三本足の怪物が現れ、町を次々に破壊します。軍の応戦も効果なく、人々はなすすべもなく逃げ惑うばかり。ジョージとエイミーは、ジョージの兄フレデリック(ルパート・グレイヴス)のいるロンドンに向かいますが、途中ではぐれてしまい……

時代も舞台も原作通りで、火星人の襲来に無力なのも同じ。原作では火星にない地球の細菌(空気感染)によって死滅するのですが、このドラマでは火星人は捕食生物で病気の人間を食べて死滅(飛沫感染)します。米ドラマだと勇猛果敢に戦うヒーローが主人公なのでしょうが、英国ドラマなのでひたすら逃げるだけ。宇宙人の侵略を、大英帝国の植民地支配になぞらえて自己批判したりするところは、いかにも英国ドラマといった感じです。人間ドラマに比重をおいているので、激しい戦闘シーンはあまり出てきません。火星人が死滅しても、火星の環境にする目的で火星人が残した大気汚染のために地球は陽のささない不毛の地になります。そして5年後にやっと霧がはれ、陽ざしが差し込むところでエンド。コロナが完全終息するには5年かかるという啓示ですかね。残念ながら面白みのない作品で~す。

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