遅ればせの追悼

録画していた『ゴキブリ刑事』(1973年・東宝/監督:小谷承靖)を観る。渡哲也主演のマンガが原作のハードボイルド・アクションです。

暴力団の鮫島組が麻薬の密売を拡大しようとしている地方都市に、警視庁でハミ出し刑事だった鳴神(渡哲也)が赴任してきます。鳴神はヤクザをゴキブリと呼び、ヤクザを退治のゴキブリ刑事。鳴神は署長(神山繁)命令で、ヤクザ逮捕で負傷したことのある武井刑事(地井武男)と新米の香月刑事(大門正明)と組み、派出所の警官が襲われて拳銃を奪われる事件や、麻薬密売人殺害事件の捜査を開始します。鮫島(深江章喜)の悪事を暴くために、強引に鮫島組のチンピラを逮捕しますが、警察内部には鮫島組の協力者もいて……

石原プロ東宝が提携した作品で、後年の『大都会』シリーズの黒岩、『西部警察』の大門で渡哲也が見せた刑事像の原点といえます。ドラマとしては中身が薄く、ブルドーザーやダンプを使ったカーアクションのシーンは、ただそれだけを見せるために唐突なものになっています。思わせぶりに出てきた加賀まりこなんて、いてもいなくてもいいような存在。渡哲也の魅力だけの作品で~す。

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