未見の中から

録画していた『男はつらいよ 寅次郎心の旅路』(1989年/監督:山田洋次)を観る。初の海外ロケしたシリーズ41作目です。

心身衰弱して自殺しようとしたサラリーマンの坂口(柄本明)を救った寅さん(渥美清)は、坂口に慕われます。一緒にウイーンへ旅行に行こうという坂口に、湯布院と聞き間違えて承諾したものだから、寅さんはウイーンへ同行。絵画や文化に興味のない寅さんは退屈しますが、現地でガイドをしている久美子(竹下景子)と出会い、さらに金町出身の有閑マダム(淡路恵子)と知りあって元気溌剌。やがて、久美子の悩みを聞くうち、寅さんは……

海外では寅さんは勝手が違うのか、シリーズの中でもパワー不足を感じます。寅さんが持つ言葉の可笑しさが、外国では発揮できないんですよ。マドンナ役の竹下景子は役を変えて三度目の出演。恋の対象でなく、よき相談相手といった感じです。“とらや”のメンバーもマドンナの存在を知らず、毎度お馴染みの“とらや”の騒動はありません。

淡路恵子竹下景子がマドンナだった38作目『知床慕情』についで2度目。この時の寅さんは、不仲だった父親・三船敏郎竹下景子の仲をとりもち、互いに好きなのに想いを伝えられない三船敏郎淡路恵子を結びつける役回りでしたね。

31作目の『口笛を吹く寅次郎』では、マドンナの竹下景子と相思相愛になる珍しい作品。シリーズの中でも、私の好きな作品で~す。

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