最後に

録画していた『男はつらいよ 相合い傘』(1975年/監督:山田洋次)を観る。浅丘ルリ子のリリーが登場する作品は、『お帰り寅さん』を含めて5作品あるのですが、これはシリーズ15作目で、リリーが登場する2作目。

青森で知りあった中年男の兵藤(船越英二)と旅をする寅さん(渥美清)は、函館のラーメン屋の屋台でリリー(浅丘ルリ子)と再会。初夏の北海道を三人は気ままな旅を続けます。小樽で初恋の女性(岩崎加根子)を見て悔やむ兵頭にリリーが苦言を言ったことから、寅さんとリリーは大喧嘩。そのままリリーと別れた寅さんはリリーのことが気がかりでしたが、ある日リリーが柴又へやって来て……

シリーズの中でも傑作と云われている作品なのですが、何故か未見でした。前半は、立派な地位も家庭も捨てて家出してきた男と、『寅次郎忘れな草』で結婚したはずが2年経たずに離婚して、ドサ回りの歌手に戻ったリリーとの三人旅。現状の生活に嫌気をさした人にとって、寅さんは癒しになるんですな。『寅次郎心の旅路』の柄本明も同種のパターンでしたね。後半の、リリーとの絡みもごきげん。この映画の題名になった、柴又駅から夜の参道を寅さんとリリーが相合い傘で歩いていく名シーン。そして、この作品から始まったと云われる、“寅のアリア”や“メロン騒動”など嬉しく愉しくなる場面の連続で、シリーズ代表作といっても過言ではありませ~ん。

f:id:nostalji:20210214074320j:plain

母の納骨と身内だけでの49日法要のため帰省するので、24日まで日記を休みます。